小西真奈美写真集 「27」
被写体としての彼女は頑張っています。面白い作品になっていますが、女優の写真集にありがちな過ちを犯した残念な作品の1つです。本来の魅力を素直にとらえようとせず、彼女を使って不自然な架空世界を表現しているような無理が見えます。「小西真奈美」を表題とする限り、それは余計な演出です。演ずる彼女は他の媒体でたっぷり見れます。やりすぎは、違和感しか生みません。また、モノクロ写真の多用は興ざめです。我々人間は、通常カラー世界で生きているのだから、逆効果であって、作り手の独りよがりとしか思えません。
Sunny Day
「Sunny Day」は非常にシンプルで覚え易い曲です。
藤木一恵さん(小西真奈美さん)の無垢な歌声とも良くマッチしており、昨今のタイアップものとは一線を画す作品になっていると思います。
歌詞も映画の世界観に通じる普遍的な再生や希望を描いており、優しいメロディーと共に人生捨てたものではないと感じさせてくれます。
また、カップリングの「灯火」ですが、曲調は「Sunny Day」に比べてマイナーに、孤独感が強調された曲になっています。
ただ、ストリングスが実に効果的に使われていて、絶望から希望の光を見出そうとする様が歌詞と共に丁寧に描かれています。
寄せては返す漣の様に、優しい中にも尖った岩をも彫琢する強さを秘めた、辛く苦しい現実に立ち向かう勇気をくれる様なそんな歌だと思います。
DVDには「Sunny Day」のPVが収録されており、楽曲のイメージをより具象化した作品になっています。
本格的に歌を歌う小西さんの映像は現時点ではこのPVでしか見られません。
行きずりの街【DVD】
教え子の女子高生と恋愛関係になって結婚し、すぐに離婚するという、ちょっとだらしなくてダメ男の主人公を、仲村トオルが好演。一歩間違えれば淫行教師の役柄ですが、彼がキャラクターの弱さや悲しさなどを繊細に演じていたおかげで、不思議と好感の持てる主人公になっていたと思います。
原作はミステリー小説ということですが、私は読んでいないので何とも言えません。映画版の方は、ミステリー的な要素はあくまで物語の背景に押しやられて、主人公と別れた妻とのラブストーリーが物語の主軸になっているようです。謎が謎を呼ぶような恐ろしいミステリー映画を期待して観に行ったのですが、ちょっと当て外れ。まあ、これはこれで面白かったので、文句はないです。
配役的にはやはり、別れた妻役の小西真奈美が◎。彼女がスナックのママをしているときの、着物の着こなしなど、すごく艶っぽくてたまらなかったです。仲たがいしている二人が、どのようにして再び恋に落ちるのか?そこら辺は見てのお楽しみですが、そんな二人のベッドシーンが、実に良かったです。吐息と吐息が絡まるような、ねっとりと濃密な感じが、すごくセクシー。また一つ、忘れられない“濡れ場”が誕生しましたね(何、言ってんだか)。
クライマックスには、教え子の女の子(南沢奈央)と、元妻の、二人の女性を守るためにヤクザ相手に戦いを挑む主人公。情けない優男が、勇気を振り絞ってヒーロー(本当の男)に成長していく物語でもあるわけです。いささかオールドファッション的で、古臭い展開なのは確かですが、「男が命がけで女を守る」という構図自体はやっぱり絵になるし、良いものですね。
女優美学 (東京カレンダーMOOKS)
日本の若手女優を中心とした160頁ほどのフルカラーグラビア誌です。
女優へのインタビューに加え、「女優とはなにか?」「監督や写真家は女優とどう向き合って来たか?」
というテーマで編まれています。撮影は笹口悦民氏、鶴田直樹氏など撮る力に秀でた方々です。
表紙の堀北真希10カット、宮崎あおい・永池南津子各8カット、前田敦子7カット
戸田恵梨香・加藤あい・伊藤歩各5カット、吉瀬美智子・松下奈緒・小西真奈美各3カット
菊地凛子・霧島れいか・水原希子・初音映莉子各1〜2カット(敬称略)
広末さんは97年に発表された3カットです。
橋本愛さんは、丸谷氏撮影で10カット掲載されています。
得体の知れぬ恐ろしさを帯びたものだけが、真の美しさを宿す事。
その意味において、橋本さんの作品は恐ろしい。まさに撮らせる力の権化です。
6カット掲載されている吉永淳さん17歳にも、ただならぬものを感じました。
柔らかな感性に裏打ちされた鋭い知性と、深い教養への萌芽、武道に通じるしなやかな身体性を
併せ持つ少女であり、映画や舞台において重要な一翼を担い得る才能だと思います。
監督、写真家、女優、作家らによる「好きな女優映画」という企画では
古今東西279本に渡るお気に入りが披露されています。
「女が好きな女優の映画」アンケートは特に興味深かったです。
「皮膚のある所には、魂がある。肉体的な運動には、思考がある」
「(俳優に求めるものは)適切であること」「適切である、という事が美しさを形作る」
と云うトラン・アン・ユン監督の言葉にも感じ入りました。
撮影者にとって、女優への最大の賛辞は「撮らされた」であること。
撮らせる力と撮る力が向き合った写真が収録されていると思います。
パティスリーポタジエの ナチュラル野菜スイーツ (講談社のお料理BOOK)
体にいい野菜を使って、甘くておいしいスイーツを作る素晴らしい料理集。各有名店舗のメニューからレシピを頂き掲載、自分で作れば安価で味付けも自由、様々な恩恵にありつきましょう。