小公女セイラ ~リトルプリンセス~
「小公女セイラ」の物語はあまりにも有名ですが、子供の頃に絵本やアニメで見たが、原作をきちんと読んだことは無い…という方が多いと思います。
私も大人になって、あらためて原作を読んでみたいと思っていたのですが、今までに出版されていた本はどれも、翻訳文が古すぎてかなり違和感があるか、または子供向けで内容が多少カットされていたり翻案されていたりと、適当な「原作のまま、読みやすく翻訳した本」が見つからない状態でした。
しかしこの本は、違和感の無い現代日本語で翻訳されているため、非常に読みやすく、また原作どおりでカットされた部分もありません。今から「小公女セイラ」を読むのであれば、この本で読まれることをお勧めします。
訳文は漢字が普通に使われているので、あまり小さなお子さんには向きませんが、難しい字には振り仮名も振ってありますので、中学生くらいならば十分読める文章だと思います。
装丁としては、300ページを超える厚い本ですが、ペーパーバックのような紙を使っているので非常に軽く、通勤時に電車内で読むのにも不便はなさそうです。(ただし、ペーパーバック風なので本が若干チープに見えますが…)
物語の内容自体も、大人になって改めて読んでみても、非常に味わいものがあり、子供向けの作品とは思えないものがあります。
09年10月スタートのテレビドラマの原作としてこの本に注目が集まっていますが、この機会にぜひ読まれてみてはいかがでしょうか。(テレビドラマはかなり原作から離れたものですが…)
なお、この原作にかなり忠実に映像化した外国の作品があり、これもなかなか良かったのでご紹介します。リトル・プリンセス〜小公女〜 [DVD]
また、あまりにも有名ですが、アニメの「小公女セーラ」も、この原作の映像作品としては秀逸だと思いますので、ご紹介します。小公女(プリンセス)セーラ(1) [DVD]
リトルプリンセス-小公女 新装版 (講談社青い鳥文庫 94-5)
低学年で、本が好きで、可愛い挿絵が好きな女の子にお薦め。
青い鳥文庫の海外名作物は、挿絵は可愛いし、内容についても、原作の良さを生かして、上手に割愛してくれています。子供に丁度良いです。
酷い削られ方をしている子供向け絵本などで「小公女」を読んでしまう前に、是非。
小公女(プリンセス)セーラ DVDメモリアルボックス
”超”の付くほどのお嬢様から、父の死亡により一気に転落人生を歩むセーラ。
周囲からの執拗なイジメや嫌がらせにも屈せず、清く気高く優しい性格は全く変わらず、
最終的には遺産を引き継ぎ”お嬢様”に復帰するハッピーエンドストーリーですが、
少々出来すぎというか、作りすぎのように感じます。
お嬢様から、住み込みのメイドに転落した後、多少屈折しても仕方のないところなのに、
セーラは常に優しく従順で、物語終盤にはイジメ役の人物とも、すんなり和解し、
まさしく「聖女」そのものといっても過言ではありません。
逆にイジメ役のキャラクターも、セーラの立場に合わせたように手のひらを返すようで、
「いじめた」というより「状況に合わせイジメ役を演じた」ようで釈然としません。
「小さな子供向け」といってしまえばそれまでですが、もう少しストーリー展開に
工夫があっても良かったように思います。
ちなみに「商品」としては割安感があり良いと思います。
Little Princess (Oxford Bookworms Library)
多読の本で評判がよい作品だったのと、子供の頃に本やアニメで見た記憶があったので、読んでみました。
今読んでみると、ちょっと(かなり?)ご都合主義的な部分はありますが、やはり名作ですね。
けなげな主人公と、ハッピーエンドが泣けます。
自分的には、お父さんの友達の誤解が解けたシーンが、一番感動的でした。
リトル・プリンセス~小公女~ [DVD]
緑を基調とした建物、衣装、その中で黄色の花やオレンジの贈り物の数々が現れ、
セットや衣装の美しさに惹かれます。
原作とは多少異なるものの、セーラのまっすぐで夢を無くさない姿勢がしっかり描かれています。
セーラが初めての屋根裏で過ごす夜の場面、泣けました。
映画見ても滅多に泣かない私なのに・・・。
女の子、女性に是非見てもらいたい作品です。