HOLD ME
フュージョンとハードロックとポップスとのクロスオーヴァーサウンドというのは、欧米におけるジャーニーやフォリナーなどのような非常に高度なロックバンドをもってしても不当に低く評価されることが多いが、このような音楽がもっと注目されて欲しいと私は考える。ZARDというユニットとは、前述のようなクロスオーヴァーサウンドの中で坂井泉水がクリスタルヴォイスを生かしたナチュラルトーンでヴォーカルを取るグループのことである。
本作『HOLD ME』はZARDの初のフルレンスアルバムである。後年のアルバムの影響が大きく本作はやや地味なポジションに甘んじるが、音楽内容はほぼ既に完成されていると言って差し支えないと考える。粒揃いの楽曲が並んでおり、後年の傑作に対しても全く遜色ない。時代を超えて色褪せない作品である。
改めて本作を聴いてみると「どこそこのタイアップ」などでZARDを語ることが馬鹿馬鹿しく感じる。異論はあるかも知れないが、私はZARDを、ステレオコンポーネントで真剣に対面する音楽だと思っている。
眠れない夜を抱いて
ZARDの曲は数あれど、いつの間にか口ずさんでしまうような素直な印象の残る曲です。当時としては、ポップスの王道を歩む爽やかな曲の一つで、ZARD(坂井さん)にぴったりだと思います。





