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ヨーロッパ映画の美少年たち BEAU GARCON!
1940年代から現代までのヨーロッパの美少年美青年を特集した、これ以上ないくらいの豪華写真集です。
とにかくメンバーがすごすぎます。
現代は今大人気の、オーランド・ブルーム、ジュード・ロウ、ユアン・マクレガー、ダニエル・ラドクリフほか
英国の貴公子は、ヒュー・グラント、コリン・ファース、ルパート・エヴェレット、レイフ・ファインズ、ルパート・グレイブズほか
フランスの貴公子は、ブノワ・マジメル、ジャン=ユーグ・アングラード、ヴァンサン・ペレーズ、ランベール・ウィルソンほか
美と退廃のヴィスコンティ作品は、ビョルン・アンドレセン、ヘルムート・バーガー、アラン・ドロン、ジョン・モルダー・ブラウンほか
そして古い作品では、ジェラール・フィリップやジャン・マレー、ピーター・オトゥールなど。
巻末には現在観ることのできるDVDの紹介もありました。
ミーハーかもしれませんが、たくさんの映画を観るきっかけとなる写真集だと思います。
「美少年写真集」というと、買うのも部屋に置くのも、なんだか恥ずかしいのですが、装丁も現代アート風のセンスがいいもので、素敵でした。
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團十郎切腹事件 (創元推理文庫)
著者の作品は長らく絶版していたがこのたび中村雅楽探偵全集として復刊することに
なった。本書はその第1集ということで『車引殺人事件』から発表時系列順に18篇の短編が収められてる。
最初の方の作品では論理性が何度が読み返さないと理解し難い部分も感じられたが、作
品が時系列に並べられていて後に行くほどどんどん洗練されていくのが良く分かる。
文章自体は簡潔でとても読みやすい。歌舞伎を題材にしている作品が多いので、知って
いるとより楽しめるが、知らなくても十分面白い。
表題作でもある『團十郎切腹事件』は江戸時代末期の八代目市川團十郎の自刃の謎を雅
楽が鮮やかに解いてみせる。團十郎は旅先の大阪でなくなったのだが、旅の途中でのト
リック、そのトリックがなぜ行われたのかという理由、そしてそれが自刃の訳となる筋
立てなど素晴らしい。
全般的にあっさりしているので、いわゆる本格推理小説にありがちなこってりした物語
をお望みならちょっと違うかもしれない。
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不良品 (SB文庫)
いまや元暴走族のアタマとして有名な著者。
当時、地元三多摩では知らぬものはいない存在だった。
とはいえ、ある一定のルールを持っていた異色の不良だったようだ。
自分からは喧嘩を売ることはなく、売られた喧嘩だけを買い取る。
そして二度と喧嘩を売ってこないように完膚なきまでに打ちのめす。
その証として土下座させる。
施設に入り、そんな若気の至りと決別した彼は、
芸能界という華やかな世界で生きているわけだが、
その画面からはかつての毒気が伝わってこない。
本書では暴走族だった過去を述べているが、
実は不良として注目されることを嫌う。
そんな現在の姿と過去のギャップ。
下世話な言い方だが、そのへんを楽しませてもらった。
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水戸黄門名作選 その1 [DVD]
1969年からスタートして以来、長きにわたって日本国民に愛されてきたTV界の文化遺産とも言うべき時代劇の金字塔「水戸黄門」。その長い歴史のなかで、2003年まで5人の黄門様がいます。
第1~13部まで実に14年演じた初代・東野英治郎!まさしく田舎の好々爺といった感じで「じゃがいも黄門」の異名を取り、土台となるイメージをしっかりと作り上げました。高笑いも印象的です。
続いて第14~21部まで演じた2代目・西村晃!田舎の好々爺というイメージだった初代に対し、こちらはスマートで上品な「シティ黄門」。悪役で売ってきた役者なだけに「イメージに合わないのでは?」という意見もでましたが、見事になりきりました。個人的に一番好きな黄門様です。
3代目が第21~28部まで演じた佐野浅夫!慈悲深い表情を浮かべ、人情味があふれ出ていました。一番優しく、親しみやすいイメージの黄門様です。通称「泣き虫黄門」。
もっとも異色だったのが第29,30部で演じた4代目・石坂浩二!なにより「ヒゲがない」というのにファンは驚きました。(途中からヒゲつけてましたが)着物も、いつもの黄色のものでなく、ブルーを基調とした地味目の落ち着いたもの。キャラクターとしては知的でクールな感じです。登場した当時は、違和感からか否定的な意見もあったようですが、「新しい事に挑戦する冒険者的姿勢」はもっと評価されても良かったと思います。視聴者に受け入れられるほど長く演じられなかったのが残念。
そして第31部から登場したのが5代目・里見浩太朗!映画版で格さんを、TV版で助さんを17年演じ、間近で黄門様を見てきた経験を活かして貫禄と風格あふれる黄門様を演じています。
長い歴史の中、5人の俳優がそれぞれ違った味のある黄門様を演じてきました。みなさんはどの黄門様が好みでしょうか?「その2」も期待してます。
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ユアン・マクレガー 大陸横断~バイクの旅 [DVD]
第一話からぐいぐいと引き込まれてしまい、徹夜で最後まで見てしまう危険な作品だ。
この作品を楽しみながら、なぜこのドキュメンタリーがこんなに感動するのか理由を考えていた。
それは、ユアン・マクレガーとチャリー・ブアマンのライダー二人がカメラを気にせずに素顔の感情をさらしているからだと思う。
そして、次々とふりかかるトラブルにもめげるどころか、さらに深まる二人の友情が見る者の心をゆさぶるからだろう。
モンゴルの悪路を走るバイクの故障、サポートカーの横転、最後にはユアン・マクレガー自信が車に追突される事故までおこる。
それでも、二人のライダーは決して笑顔を絶やすことなく、カメラに向かって自分の言葉で語り続けるのだ。
バイク愛好家やユアン・マクレガーのファンだけでなく、団塊の世代のおじさんたちにも是非見てほしい佳作である。