Women in Business: Level 4 (Penguin Readers Simplified Text)
Penguin ReadersのLevel 4(1,700語レベル)
語数 13,558 YL 4.0
本書は、20世紀にグローバルに活躍した5人のビジネスウーマンを1,700語
程度の語彙制限の中でまとめた書き下ろし作品である。
時代が求めるもの、その土地の人々が求めるものに合わせて柔軟に時に強さ
も持ち合わせながらファッション業界を切り開いた先駆者である"Coco" Chanel。
西洋と東洋を織り交ぜたファッションデザインで、皇太子妃のご結婚の際の
ウエディングドレスもデザインした世界的に活躍した日本人、Hanae Mori。
夫の長期旅行中に、家族を支えるために始めた"The Body Shop"を、数年間で
世界的な大会社にした創業者、Anita Roddick。
ニュースキャスターをしていた時に、トークショーの司会の才を見出され、
経営の才も見せ、瞬く間にスター街道を駆け上がったOprah Winfrey。
長年に渡り世界のポップスターであり続け、その背後には、計算に尽くされた
営業と経営センスも持ち合わせるMadonna。
5人のビジネスウーマンとしての顔を中心にえがいている。読了してみると、
5人に共通したものが浮かび上がってくるのが面白い。すなわち、どの女性も
エネルギーに満ち溢れていて、チャンスを貪欲に求め、逃さない「やり手」
としての顔を持っている。
英文はとても読みやすく整理されている。5人の生き方に興味がある人は、
特に楽しく読める本である。
ファッション―蝶は国境をこえる (岩波新書)
日本人デザイナーとして世界を圧巻させてきた森英恵氏の自伝本。
ファッションが心を豊かにする文化と捉えるからこそ
Identityを発信していくことにこだわりつつ、
「世界で通用するためには?」を常に問い続けてきた
氏の世界観を知ることができます。
▼印象に残ったフレーズ
創作は、常に世界に通用する感覚でなければならないので、
まずは外国のことをよく知る必要があるけれど、
それは自分を捨てることではない。
十分な知識を持って、世界中の人たちが理解しやすいように、
自分のアイデンティティを表現していくことなのだ。
→相手に合わせることが世界で通用することではない
と語っています。
このことは制作サイドだけでなく着る側にも当てはまる
ことで、周りの人に認められたいがために相手に合わせた
服選びをするのではなく、周りを理解しつつ、
自分の個性を表現していける服を選んでいこう
ということにも繋がってきます。
この本を読んで1番印象に残っているのは
ファッション=心を豊かにする文化
ということです。
今まで高いお金を出して洋服を購入することは
デザイナーを儲けさせるくらいにしか思っていなかった
のが、自分を表現するための洋服なんだ、という視点の変換
に気づけたことで洋服に対する見方が変わりました。
このようにこの本を通して常々感じられるのは
「視点の多様性」
です。
・商売をする時の視点
・デザイナーとして働く時の視点
・文化を繁栄させていく時の視点
1つの行動であっても、そこにはいくつもの見方
があることを感じられます。
■著者プロフィール
森英恵(もり はなえ)
1926年島根県生まれ。医者の家系に生まれる。
1947年東京女子大学を卒業と同時に結婚するも、
主婦業に止まりたくないという思いと、
きれいなものを作って着たいという思いから、
ドレスメーカー女学院に通う。
その後、友人と新宿に「ひよしや」を開店。
1951年には新宿にスタジオを設立し、映画衣装を手がける。
1965年にアメリカでコレクションを発表。
1977年、パリに進出し、東洋人で唯一の
パリ・オートクチュール組合への加入が認められる。
以後、パリ・東京・ニューヨークを拠点に、中国やインドにも進出
するなど、幅広い活動を展開している。